チェリー材の無垢材家具を空間に取り入れるポイントは?
2020.4.21
本格的な無垢材家具の購入を検討している方は、どんな樹種を選ぶかについて悩むこともあるでしょう。
家具蔵でも多くのお客様がそのような悩みを持ってご来店されます。
一番良い解決方法は、その素材が持つ特徴を店舗で実際に目で見て、確かめることです。
実際にその樹種でつくられた家具に触れてみると、カタログだけではわからない素材の持つぬくもりや魅力をしっかりと感じ取ることができます。
チェリー材は色の変化が「劇的」
例えば多くの方に人気のあるチェリー材。
家具蔵でも多くの方に選ばれ、愛されている銘材です。
使い始めて色合いが変化していき、美しい艶のある、濃褐色に「育って」いきます。
無着色の無垢材は経年変化で色が変わるものですが、中でもチェリー材はその変化の度合いが大きく、また早いことが特徴です。
家具として制作されたばかりのうちは、肌色や淡いピンクに近い色味のものが多いですが、しばらく経つと色が濃くなっていくのです
それはまさに「劇的」であるといっても良いほど。
これはチェリー材にしか見られない希少な変化といえます。
時間の経過とともに当初の頃とは風合いが変わっていくので購入の際は事前に色の変化を考慮して、「使い込んだあと」を想定したうえで選ぶと良いでしょう。
赤味を持った色なので華やかな雰囲気がありながら、色が濃くなるにつれて落ち着きと風格が出てくるのもチェリー材の家具の楽しみの1つです。
木目と手触りにも特徴が
また、チェリー材はその木目にも特徴があります。
木目自体は非常に明瞭ですが、自然に木の色目のなかに溶け込んでいる感じがあり、決して主張しすぎていません。
このような絶妙な木目の現れ方にも、チェリー材の人気の理由があるかもしれません。
目立ちすぎない上品な感じが、ナチュラルな雰囲気でどんな空間にも良く合うといえるでしょう。
次に、手触りはどうでしょうか。
毎日の暮らしの中で触れるものですのでやはり気になるところです。
木材には、導管という水分を通す部分があります。
木材の切断面にはこの導管が多く並んでいて、その太さや並び方により触った感じが異なります。
太い場合にはざらざらとした感触に、細い場合にはすべすべとした肌触りになります。
チェリー材はどちらかというと導管が細めの部類に属します。
ですので、全体にすべすべした心地よい手触りを楽しむことができます。
その感触は子供から大人まで使用するダイニングテーブルなどには、ピッタリの材質といえます。
チェリー材特有の表情
「チェリー」というと、日本のサクラ=桜を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、この場合の主に家具材として使用されるチェリー材は主に北米に分布する「アメリカンブラックチェリー」であり、品種も日本のソメイヨシノとはまた異なったものです。
ブラックチェリー種の特徴としては、板にカットした場合に、所々に黒い点がみられるということがあげられます。
これは樹液によってできたもので「ガムポケット」と呼ばれています。
そこから樹液が染み出たり表面がベタついたりするようなことはないのでご安心を。
ガムポケットは天然のチェリー材を使っている証明でもあり、また、チェリー材特有の「味」のある部分だともいえるでしょう。
コーディネートのポイント
次に、チェリー材と異素材の組み合わせについて考えてみましょう。
特に相性が良いのはファブリックで、チェリー材と布素材の組み合わせは、チェアやソファなどでは良く見られます。
モスグリーンやグレー、クリーム系の色のファブリックはチェリー材の温かみのある色味に合う、素敵な組み合わせになります。
家具を置く部屋の、カーペットやカーテンなどに、これらの色を使うのも良いでしょう。
家具店などでは、ソファなども含めて実際の展示があるので、そのコーディネートを見ると更にイメージしやすくなります。
仕上げ塗装の種類
チェリー材の家具では大きく分けて2種類の仕上げ塗装の方法があります。
一つはオイル仕上げです。
オイルを無垢材に染みこませて木を中から保護する塗装で、定期的にオイルを塗る必要はありますが、汚れなどをサンドペーパーで削ってきれいにすることが可能です。
自分で手入れをしながら使うことが好きな方に向いている仕上げです。
もう一つはウレタン仕上げです。
薄くウレタン塗膜を張って木を保護する仕上げです。
手入れが簡単で、中性洗剤を薄めて使って汚れを落すことが可能なので、輪染みや食べこぼしなどを気にせずに使いたいという方にはこちらがお勧めです。
また、実際にそれぞれの仕上げ方の家具を見たり触れたりすることも大切なポイントです。
家具メーカーによってもその仕上がりや質感も少しずつ異なってきます。
カタログやホームページで見るだけではなく、実際に店舗に脚を運んで確認することで、納得して選ぶことが出来るでしょう。
メンテナンスについては、自分がどちらのタイプが向いているか、家族みんなで使うことを考えたらよいかなど、選ぶポイントはいくつかあります。
迷った時は購入する家具店のスタッフに聞いてみるのが一番の近道です。
無垢材家具はあくまで自然のものなので全てにおいて個体差があり、同じ樹種でも木目や色にはある程度の幅があります。
また、経年変化の度合いも、使用頻度や置かれた環境で異なるものです。
家族と共に、材質の変化を「風景」として楽しむ気持ちで使用することが無垢材家具を、チェリー材を楽しむ大きなポイントです。
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