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ケヤキと日本人の深い関係とは

2020.5.14

 

ケヤキはご存じの通り、日本で古くから縁起の良い木として崇められ、また現在では東京の表参道や仙台の青葉通りなど私たちの身近なところで街路樹としてよく目にする木でもあります。

そんな身近にいながらも、他を圧倒するほど力強く美しい木目を持つケヤキ。

私たち日本人の関係についてお話ししていきます。

 

 

日本人を魅了し続ける美しい木目


ケヤキの名前の「けや」は「際立って目立つ」「美しい」といった意味の「けやけし」に由来し、ケヤキの名前は「けやけし木」の略であると言われています。

樹高は高いもので40メートルにまで大きくなると言われており、更に枝葉を横に大きく広げる悠然とした立ち姿はもちろん、そのくっきりとした美しい木目は古くから日本人の心をつかんできました。

特徴的で美しい木目は現在も家具材や食器、太い幹は中身をくりぬいて太鼓に使われるなど様々な場所に活かされています。

ただ、どんな木目が出るかは製材をしてみないとわからないものです。

熟練の目利きの職人が原木を選び、どこから鋸を入れるかを指示することにより、そのケヤキの美しい木目が活かされるかどうかが変わってくるのです。

木目が非常に美しく活かされた家具や食器などは、自然が作ったケヤキの木目とその木目を活かした職人の技術の融合と言えます。

作られた木目ともいえる化粧版やシート材ではなく、無着色の無垢材で作られたものであれば、その木目は他に二つとないものであり、それこそ「出会い」と言ってもよいかもしれません。

そのような家具や雑貨と出会えたら愛着を持って長く使えますね。

 

ケヤキの素材としての特徴は


また、古代では槻(つき)の木とも呼ばれており、これは「強き木」の略であると考えられています。

この呼称が示すように、ケヤキのもうひとつの特徴は職人泣かせと言われるほどの固さにあります。

時にはノミやカンナといった鉄製の工具が傷んでしまうほど。

ただ、その固さは丈夫さの表れでもあります。

更に職人泣かせと言われる所以が加工の難しさにあります。

製材をしてから年単位、大きなものや精度の高さを求められる部分では長いもので10年も乾燥させることがあるというケヤキ。

それほど水分調整が難しい木でもあります。

目利きの職人が鋸を入れ、乾燥中の割れや反りに負けずに奇跡的に生き残った部分だけが家具や建築部材などに使われるのです。

また、槻=ツキから縁起の良い木とされており、高樹齢の根元にまれに入る「玉杢(たまもく)」と呼ばれる独特の杢は、縁起がよいものとして高値で取引され相撲部屋やお店の看板に使われたりしています。

看板はケヤキの重くて固い特徴から「一度かけたらおろさない」という意味合いで商売の縁起を担ぐことにも一役買っているようです。

 

清水の舞台とケヤキ


ケヤキを使用して造られた建築物のひとつとして京都の清水寺が挙げられます。

一度は訪れたことがある方が多いであろう、かの有名な崖に建てられた清水の舞台。

大人でも抱えきれないほどの直径80センチメートル、高さ約12メートルもの柱を168本使用しています。

ケヤキの耐用年数はなんと800年と言われており、定期的な補修を加えながら1200年以上の歴史を刻んできました。

柱は主に樹齢300年以上のものを使用していると言われています。

とはいえ、現在日常の中で大人が抱えきれないほどのケヤキを目にすることはありません。

建て替えが必要な時に手に入るかわからない。

そのために将来の建て替えを見据え、清水寺では独自に山を買い、ケヤキと床材に使用されるヒノキを6000本植えたそうです。

ケヤキは根本にほど近い箇所から大きく枝葉を伸ばす特徴があり、柱に使えるようにまっすぐに育てるのは至難です。

さらに山には鹿が繁殖し、芽や皮をかじってしまうというリスクもあります。

丁寧に間引き、1本1本保護テープを巻いても3000本植えて使えるのは300本程度と言われています。

このようなことからも柱や家具として使われるケヤキが材として、今現在いかに貴重かといったことが伺い知れます。

現在の舞台は1633年に再建され、2013年にはレントゲン撮影などにより修復箇所を突き止め、9本が修復されました。

今現在の柱は400年前から歴史を刻み、現在の技術を交えながら補修され、あと400年後に建て替えられます。

次に清水の舞台に行かれた際には400年前から舞台を支えるケヤキの柱を間近でご覧になってみると、より歴史を感じられるのではないでしょうか。

 

ケヤキを活かした空間作り


美しい木目と強い耐久性を持ち合わせたケヤキ。

そんなケヤキを空間に取り入れてみたい!と考える人も多いでしょう。

現在、家具蔵では一枚板テーブルや共木テーブル、そして無垢材チェア・無垢材スツールでケヤキを取り扱っています。

テーブルとチェアを同じケヤキでコーディネートした空間はまるで高級旅館のような優雅で凛とした空間に。

テーブルでケヤキを選ぶ際にはその木目の強さが引き立つよう、周りはできるだけ木目の目立たない床材や建具、収納家具を選ぶと良いでしょう。

赤みがかった色素を持つため、同じく赤みの色素をもつチェリーとコーディネートされる方も。

カーテンやソファに差し色をする場合は同じく赤みのあるオレンジなど暖色系を取り入れると良いでしょう。

補色である緑とはお互いを引き立たせてくれる効果があります。

和室と相性が良いのは単に日本の木であるからといった理由だけではないのです。

そのため、洋室に置く際も補色として観葉植物などグリーンを配置してあげることでよりテーブルの存在感が引き立たせることができ、ワンランク上のコーディネートが叶います。

「和」に寄せたいか、「洋」に近づけたいかは、最後に照明や壁に飾る絵画やシェルフで印象を変えることもできます。つまり、模様替えを楽しむこともできるのです。

 

いかがでしたか。

ケヤキと私たち日本人の古くからの付き合いを知ることで、ケヤキがいかに大切に育てられ、また材として使用されたあとも手を入れて大事にされているということがわかれば、使う家具への思い入れや所有できる喜びも変わってくると思います。

せっかく買うのであれば、思い入れのある木で作られ、長く使いたいと思える家具を選ばれてはいかがでしょうか。

 

ケヤキの無垢材家具のある暮らしの事例はこちらから

 

 

 


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