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無垢材フローリングの魅力

2019.4.15

 

家具蔵で取り扱う「無垢材」。

いわゆる1本の原木から直接必要な寸法に材を切り出したもののことです。

私たちのように家具材に使用するほか、特に人気が高まっている使用用途として住宅建築におけるものがあります。

構造材はもちろん、建具、内装材、壁…。

堅く、傷の付きにくい広葉樹を中心に無垢材が好んで使われるようになってきました。

特に床材、つまり「フローリング」に無垢材を使用する向きはここのところ特に増えています。

今回はこの無垢材フローリングの魅力と特徴などについてご紹介しましょう。

 

無垢材フローリングの魅力と特徴


無垢材とはいわば木そのものです。

つまり、フローリングをはじめとした住宅素材に無垢材を使うことは室内で木の持つ魅力を存分に味わうことに他なりませんが、この木の魅力、つまり無垢材の魅力はどこにあるのでしょうか?

ひとつは健康への効果。

無垢材はその内部にたくさんの空洞(細胞)がある多孔質という構造を持っています。

この空洞が空気中の湿度が高い時は湿度を吸い、空気が乾燥すると水分を吐き出す働きをします。

床材に無垢材を取り入れることで高温多湿の夏場や乾燥する冬場も快適な住環境をつくることをサポートしてくれます。

また、視覚的にも優しい素材です。

木目の模様や木肌の色の濃淡は、人の目に心地よい刺激と心拍数の安定などのリラックス効果をもたらします。

光の反射率も、人の目にもっとも心地よいとされるものに低減してくれるのです。

さらに無垢材が持つ「香り」も特筆すべきものです。

無垢材に強く含まれるテルペン類という成分がストレスの低減や気道の確保、ダニやカビの繁殖を防ぐ効果を持ちます。

清潔で快適な住環境をも維持する手助けをしてくれるわけです。

また、無垢材を多用した空間にはマイナスイオンが多く発生することも実験からわかっています。

日々の暮らしにおのずから自然をとりいれることができるわけです。

そしてなんといっても使用感と風合いの良さは抜群です。

いわゆる合板やプリントのもの、シート状のものも近年、より本物の質感に近づけたものが出てきました。

ですが、本物の魅力にはかないません。

特に裸足で踏みしめた際の何とも言えない質感とぬくもりは他の素材では絶対に出せないものです。

さらに経年で変化する表情はと時間を追うごとに風格を増してきます。

年月が経つほどに状態が劣化していくのは住宅に限らずモノの常ですが、長く住んでいってそれがそのまま味になるというのはやはり大きな魅力です。

また、自然の色味を持つので家具を含めたインテリアとの相性も特段に縛りが無く、コーディネートの幅も広がります。

より木材本来の雰囲気を存分に楽しめる、木の風合いでインテリア性が高まる、といった理由でも無垢材フローリングは人気なのです。

 

無垢材フローリングのメンテナンスの注意点


一方で無垢材を使用するうえでは「お手入れが大変そう…」という方も多いのも事実。

しかし、その特徴を知っていればそんな心配も無くなります。

無垢材フローリングと一言で言っても家具と同じようにその仕上げ塗装にはいくつかの種類があります。

主に「ウレタン塗装」「自然塗装(オイル塗装)」「無塗装」があります。

【ウレタン塗装】

主成分である合成樹脂がウレタン系の塗料で、フローリングの表面に薄い膜を張るような塗装。

特徴は

①光沢が良い。

②耐水性に優れているので、汚れが付きにくい。

③硬く耐摩耗性があるので、塗り替えの必要がない

【自然塗装(オイル塗装)】

天然油脂(オイル)を使った仕上げのこと。

塗料を木材の表面から内部に浸透させて、木の表情をしっとりとさせ、木本来の質感が残ります。

特徴は

①木の質感をそのまま生かせる。

②傷が目立ちにくく、凹み等の補修がしやすい。

③塗膜を作らないので、傷や汚れが付きやすい

④オイルの種類や使用状況によるが、定期的に塗り直しが必要

【無塗装】

何も塗装しない状態。

木の質感や色合いがそのまま残る反面、汚れが付くと木の導菅に染み込み、落とすのが困難。

特徴は

①木の色・質感をそのまま生かせる。

②傷が目立ちにくく、凹み等の補修がしやすい。

③調湿効果が一番期待できる。

④汚れが染み込み、落とすのが困難。

⑤季節によって毛羽立ちやささくれが出る事がある

無垢材フローリング、と一言でいっても仕上げ塗装によってこのような違いがあるのです。

無垢材フローリングは定期的な手入れを繰り返すことが、その風合いや経年変化を長く楽しむコツ。

さきほどみた仕上げ塗装の違いによって、その方法の詳細の詳細は異なります。

【ウレタン塗装のお手入れ】

・通常は掃除機をかけるか、固く絞った雑巾でOK。

・それでも落ちない汚れがある場合には、中性洗剤を薄めたものを含ませ、固くしぼった雑巾で拭く。

・最後に乾いた雑巾で乾拭きをするとなおよし。

・ワックスなどは不要。

「特にツヤを出したい」等の理由でワックスをかける場合には、詳細を各ワックスメーカーに問い合わせた方がベター。

【オイル塗装のお手入れ】

・水を多く含んだモップや雑巾でのお手入れは厳禁。

・薬品のついた化学モップなどは変色の原因になるのでNG。

・汚れはそれぞれのオイルメーカーが販売している専用のワックスクリーナー等を利用。

最後に乾いた雑巾で乾拭き。

・ワックスをかける場合は、必ず塗装されたオイルと同メーカーのワックスを使用する。

ホームセンター等で市販されているウレタン塗装用のワックスをかけると、毛羽立ちやシミの原因になるので注意。

【無塗装】

基本的に無塗装での床材使用はあまりおすすめされていません。

水気が飛んだ時にシミが木材の奥まで浸み込んでいってしまうので汚れが取れにくくなるうえ、市販のワックス等を 直接塗装すると床が水分を吸って表面がざらつき、毛羽立ちやムラの原因になります。

また色の濃い木材は靴下等に色が付いてしまいますので、必ずなんらかの塗装を施しての使用をおすすめします。

【塗装に関わらず共通のことは】

●業務用のポリッシャ―のように水を含む物や蒸気を出す掃除器具の使用は避けましょう。

面が傷つくとともに、水分を含んでフローリングの反りの原因となります。

●化学薬品や化学モップは使用しない方が良いでしょう。

これらには様々な薬品が付いており、無垢フローリングに使用すると、黒ずみや色むらの原因になります。

●無垢フローリングの床でホットカーペットを使用すると、カーペット下に熱がこもり、反りやひび割れ、毛羽立ちの原因となります。

 

無垢材フローリング、その代表的な樹種と特徴


チェリー

暖かみのあるやさしい風合いが魅力のチェリー。

ところどころに見える節が無垢材ならではの自然な質感を演出します。

時間がたつごとに色味が濃くなり、鮮やかな飴色に変わる様は空間に経年の味を加えてくれます。

チーク

世界3大銘木のひとつで、世界中で最高級材として人気があります。

寸法安定性もよく、腐りや虫食い(シロアリ)などにもめっぽう強いことで古くは高級客船やホテルにも使用されました。

ダークな質感から徐々に明るくなる色合いが落ち着きとやさしさのある空間に仕上げます。

ウォールナット

当代きっての人気樹種であるウォールナットは黒基調の気品のある空間を演出します。

そのなかで微妙にことなるグラデーションが見る角度によっても変化し、飽きさせません。

壁の色や素材との相性を選ばない万能性も魅力です。

ハードメープル

艶やかな光沢感と爽やかな空間を作り出すハードメープル。

音の響きも良いので楽器室などに使うところもあります。

白基調の爽やかな空間を演出したければ風合いも優しいメープルは最良の一手です。

オーク

かすかに感じる木肌の凸凹感が目にも浮かび上がってきて素朴でナチュラルな空間を作り上げます。

時々露見する「虎斑(とらふ)」も無垢材ならではの自然味あふれる紋様として珍重されます。

パイン

針葉樹であるため、グレードによっては節が多いですがそれもまた空間のアクセントとして魅力。

単価の安さとその自然感で近年、床材としても高い人気を誇ります。

いかがでしたか?

無垢材フローリングについてざっとお話ししてみました。

私たち家具蔵は言うまでもなく無垢材家具製作と販売を行っており、ある意味フローリングについては門外漢かもしれません。

ただ、住まいは家具が無ければ成り立たず、その逆もしかりです。

「家具から始まる家づくり」を標榜し実行するために、家具をご案内する以上はそれにまつわる周辺のこともお話しできるように、家具蔵では常に全スタッフが建築や内装についても学び、お客様へアドバイスを行っています。

これをご覧の方も住宅メーカーや工務店とは一味違った住まいづくりのお話を聞きに家具蔵へいらしてください。

 

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