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ナラ材の特徴

2019.7.17

広葉樹の代表的存在「ナラ」


家具に使用される材質としてよく耳にする「ナラ材」。

ナラ材の木目は、板目で取ると伸びやかで力強く、柾目で取ると優しく「虎斑」という虎の背中の模様のような杢が出ることで知られています。

虎斑は海外では「シルバーグレイン(銀色に輝く杢)」と呼ばれ、とても親しまれています。

ナラ材の原産国は主に、日本、中国、ロシアなどとなっています。

 

ナラ材とオーク材の違い


お客様の中には、「ナラ材です」とお伝えすると「あぁ、オークね!」という方も多くいます。

一般的にオーク材と表現されるものは「ホワイトオーク」を指すことが多く、ホワイトオーク材は厳密にはナラ材ではありません。

確かにナラ材とホワイトオーク材は同じブナ科の植物で、仲間の木に当たるため見た目もそっくりで見分けがつきにくいのですが、簡単に区別する方法として産地があります。

先述したように、ナラの原産地は日本や中国、ロシアなど。

一方オーク材は主に北米が原産地となっており、ナラよりも重く、木口に見られる放射組織が大きいのが特徴です。

色味がナラ材よりやや白いホワイトオークと、少し赤みがかったレッドオークがあります。

ホワイトオークやナラは、導管を塞ぐチロースという組織が発達しているため、木に液体が入り込みにくく、ウイスキーやワイン樽などに使用されていつことでも有名です。

 

ナラの希少性


話は戻りますが、日本産のナラは現在では非常に希少となっています。

かつて豊富にあった国産のナラ材はヨーロッパへ大量に輸出されていました。

その理由は、ナラ材を国内で流通させるよりも輸出した方が高値で取引できたためです。

輸出されるナラ材には現在のアメリカの等級より一段階上の等級が付けられ、当時から一目置かれる存在であったとも言えますが、当の日本人の多くはその価値に気づけていなかったのです。

その為ナラ材は植林などの政策もないまま大量伐採され、自然災害等の影響もあり、どんどん数が減っていきました。現在では国土保全の観点から市場を限定し、開いています。

 

どんぐりの実がなる木「ナラ」


「どんぐりころころ~♪」の歌でも知られる通り、ナラ材は昔からドングリの実がなる木として親しまれています。

縄文時代には栗や胡桃と並んで主食としていました。

ナラのどんぐりには、デンプンなど栄養はたっぷり含まれているのですが、一方でタンニン、サポニンなどによる渋みが強すぎ、人はそのままでは食べられません。

しかし、リス、熊、鹿など野生の哺乳類にとっては冬ごもりに最適な食料となります。

リスや鳥類のカケスはどんぐりを集め、離れた場所で葉っぱの下に隠したり、土の中に貯蔵したりする習性があります。隠されたどんぐりの中には忘れられ掘り起こされないものもあり、それらが発芽することで元の木とは離れた場所で次の世代の木となること(=子孫を残すこと)ができるのです。

ナラは広葉樹の中でも多くの葉を落葉します。

その落ち葉が豊な土壌を作り、豊富な鉄分やミネラルなどの養分が森から川へと流れ、海へと運ばれていきます。この養分をプランクトンが摂取し、これを食べに多くの魚たちが集まります。

いわば「すべて生き物が集まる木」なのです。

大きいものでは30mを超えその威風堂々とした巨大な姿は、森の中でもひときわ目を惹き、まさに「森の王様」にふさわしい雄姿です。

そんな巨木が集まって「中群生」という群生林をつくります。

大きな森を作る程の圧倒的な生命力があり、成長過程で数百種類もの菌根菌との共同作業で土壌改良を行いながらひとつの山を生命の住む森へと変貌させていきます。

つまりナラは生命の創造主と言っても過言ではありません。

その雄姿、そして家具などの材料になった際の素朴といえる表情は見るものを幸せに導いてくれるのです。

 

ナラ材についての更に詳しい解説はこちら

ナラ材の無垢材家具を使用した暮らしの事例はこちらから

 


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