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樹液のはなし

2018.4.3

樹液。

皆さんも子供のころにカブトムシやクワガタムシなどを飼った経験や捕まえる経験をされた方には馴染みのある言葉かもしれません。

樹液とは植物の樹皮を傷つけたとき、そこからしみ出してくる液体のことをいいます。

樹液には、維管束(いかんそく)という部分に含まれる物質のほかに、特殊な分泌組織から分泌される樹脂、乳液などがあります。

分泌組織から出る樹液は、植物が損傷を受けた部分の補修をする働きをもつといわれています。

今回はその「樹液」のおはなし。

樹液

 

身近にある樹液の利用


樹液は科学が進んだ現代でも、重要な工業原料としても広く利用されています。

マツやモミの樹皮を傷つけておくと粘着性の液体である樹脂がしみ出してきます。

これは樹脂細胞から分泌された物質が、樹脂道へ排出されたものです。

このなかに含まれる揮発性の成分が失われて固まったものが「脂(やに)」で、化石となったものが「琥珀(こはく)」です。

脂はアルコールなどの有機溶剤によく溶け、塗料などに利用されます。

また、琥珀は宝石として珍重されています。

乳液は樹皮にある乳管や乳管細胞から分泌されて蓄えられたもので、ゴム質を含むため、トウダイグサ科のパラゴムノキの乳液は弾性ゴムの原料とされます。

マメ科のアラビアゴムノキの乳液をゴム糊(のり)に利用したり、ユキノシタ科のノリウツギを製紙糊として用いるのは、その粘着性を生かしたものです。

マンゴーやパパイヤの乳液にはタンパク質分解酵素の一種である「パパイン」が含まれているため、消化剤とされます。

ケシ科植物の乳液に含まれるアルカロイドはモルヒネなど麻酔剤の原料となります。

ウルシ科植物の樹皮から採取した乳液は漆の原料、サトウカエデの樹幹に穴をあけて採集した樹液は2から5%のショ糖を含むため、これを煮つめて良質の糖蜜(とうみつ)シロップとする、この辺りは皆さんもご存じの方も多いかもしれませんね。

 

メープルシロップは何故甘い?


メープルシロップは北アメリカ原産の「サトウカエデ(ハードメープル」から抽出した樹液を煮詰めて作られます。

高さは30から40mにも達し、葉も日本の在来種のカエデと比べるとかなり大ぶりで、特徴ある形状をしています。

カナダを代表する木であり、国旗にメープルの葉(メイプルリーフ)がデザインされていたり、硬貨のデザインにも取り入れられています。

また、アメリカ合衆国北東部のウィスコンシン州、ニューヨーク州、バーモント州、ウェストバージニア州では、州の木とされています。

堅牢で家具用の木材としても有用であり、その滑らかな木肌や艶やかな表情は家具蔵でも人気の高い樹種です。

メープルシロップ

 

メープルの樹木は、夏の間に樹木の内部に蓄えたでんぷんを糖分に変えて、カナダの冬の厳しい寒さに耐えます。

そして雪解け水が流れる頃、その時期特有の昼と夜の温度条件によって、夜間に土壌からミネラルたっぷりの水分を吸い上げ、昼間に糖分をわずかに含んだ樹液“メープルウォーター”を流し出します。

この流出は、わずか10日から20日ほどの現象。

メープルウォーターを採取するために、生産者たちは、樹木の太さ、健康状態、成長などを考慮しながら、1カ所から4カ所の採取口を取り付けます。

その採取口からメープルウォーターをチューブやバケツで集め、さらにシュガーハウスと呼ばれる小屋の中にある大きなタンクに集めていくのです。

メープルウォーターは、糖度約3%の透明でさらさらとした水のような液体です。

それを高温で時間をかけて、糖度66%になるまで煮詰め、ろ過して不純物を取り除くと、メープルシロップが完成します。

1ミリリットルのメープルシロップをつくるのには、およそ40ミリリットルのメープルウォーターが必要です。

この他に、甘い樹液として有名なのは白樺。

主に、北海道や東北地方、長野県、山梨県など寒い地方で樹液採取されています。

なぜ、寒い場所では甘い樹液が採れるのでしょうか?

 

寒い地方の冬は、雪が積り、凍り付くような寒さなので、樹体内の水分が凍らないように細胞中の糖度を上げます。

そして、冬には、病原菌や害虫などが少ないので、抗菌物質を作る量も少なくしています。

樹液には、病原菌や害虫から身を守るために作られた抗菌物質であるポリフェノール(主な成分はタンニン)が含まれているため、舐めると渋いのはそのためです。

しかし、冬になると、その必要性もなくなり、抗菌物質の生産量が少なくなる一方で、樹液の凍結を防ぐため、糖度を上げた結果、甘い樹液となるのです。

 

ブラックチェリー材の樹液


これまた暖かみのある表情と経年変化の美しさで人気を誇るブラックチェリー材。

この木の特徴として、ガムポケット(樹液痕)という表情がでることが挙げられます。

これはブラックチェリー特有のもので、樹液そのものが木の成長段階において細胞の隙間に滲み出たり、虫に食われた部位などを自己補修した樹液が樹脂として固まったものです。

このガムポケットはチェリー材を扱ううえではその大小はあっても、必ず入ってくるものです。

流通の上では「あってしかるべき」というものですので、木材の最高等級「FASランク」のものを使っても避けられません。

また、材料の買い付けの段階でもなかなか見極めづらいものでもありますが、家具蔵ではこのガムポケットがなるべく少ないものを厳選して家具をお作りします。

決して汚れなどではなく、着色していない、木目や自然の木の表情を活かした家具作りだからこその「趣き」としてご案内する一方、すべてのお客様に最高品質のものをご提供したい、そんな姿勢が素材選びにも現れている、と考えて頂けますと幸いです。

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