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「木の重さ」の違いを知る

2018.3.27

私たち家具蔵でも、お客様から「この材とこの材はどちらが重いですか?」とご質問をいただくことがよくあります。

木には重い材と軽い材があります。

今回はその違いのお話をご紹介します。

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木の重さと気乾比重


木は無数の細胞の固まりでありますが、細胞はセルロースの「袋」であり、それをお互いに繋ぎ合わせているのは「リグニン」という成分です。

針葉樹と広葉樹、どちらにおいてもその構成はほぼ同じですが、この「袋」の壁の厚さは樹種によって違いがあります。薄い壁の袋が固まった木は軽く、厚い壁の袋の固まった木は重いのです。

言い換えれば細胞の中に含まれる空気の量の多少により、「軽い木」と「重い木」との差ができるということです。

 

木の重さを知りたければ、「気乾比重(キカンヒジュウ)」を調べてみるのがひとつの手です。

気乾比重とは木材を乾燥させた時の重さと同じ体積の水の重さを比べた値で、木材の硬さや強度を表す基準の一つです。

数値が大きいほど重く、小さいほど軽いというメカニズムで、気乾比重が「1」を上回る木は水に沈むということになっています。

世界で一番軽い木は「バルサ」という木で比重が0.1、重い木は「リグナムバイタ」という木で比重は1.3あります。先ほどのメカニズムからリグナムバイタは当然水に沈みます。

例えば日本の軽い木といえば代表的なものがキリですが、この比重は0.3です。

ちなみに針葉樹の代表的なものは0.4から0.5、広葉樹のそれは0.6から0.9くらいとされています。

しかし実際は、木材実質の比重は樹種による差はほとんどなく「約1.5」で水に沈みます。

この比重のことを「真比重」と呼んでいます。

真比重に対して、木材を乾燥させた時の重さと同じ体積の水の重さを比べた値を気乾比重と呼んでいるのです。

一般的に木材の比重と言う場合は気乾比重を指しています。

他に「全乾比重」というものもあり、これは木のなかの水分が完全にゼロになった状態での純粋な木の重さを指します。

しかし、実際には空気中にも水分はあり、木や材はそれを吸収するために実際はゼロになることはありません。

あくまで研究者向けのものであって、一般的には「気乾比重」が実用的なものとなっています。

気乾比重は、木材の硬さや強度を表す基準とも言えるものですが、計測する木材の水分含有量や、心材・辺材など木材のどの部分を計測するかなどで値は変わってきます。

 

木の強さは重さと比例するところがあります。

軽い木と重い木では負荷に対する耐性に違いがあります。

わかりやすくお話しすると、ふんわりと大きくふくらんだパンと、固くて小さなパンがあるとして、つぶせばどちらも同じパン粉の固まりです。

この場合、ふくらんだほうのパンがバルサやキリで、固いほうのパンがナラやカシにあたるわけです。

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木の重さと水との関係


次は「水との関係」についてお話します。

よく言われるように木の多くは水分であり、だからこそ乾燥の工程を経て素材とするのですが、木は水分を吸うと膨れ、水分を吐き出すと縮みます(だからこそ割れや反りが生まれるのです)。

含水率という言葉があります。

このコラムでも何度かお目見えした言葉です。

木材と水分の関係、そして重さを順序よく理解するためには、含水率から入るのがスムーズでしょう。

木が含んでいる水分の量が樹種によっても違うこと、同じ木でも辺材か心材といった場所によっても異なることは前述したとおりです。

さらに生育環境や季節によっても水分量は変動します。

針葉樹は、心材における含水率が全体の40%から50%、細胞が活発に活動していた辺材部分では100%から200%といった値になっているのも多く見ることができます。

広葉樹の場合は心材と辺材において含水率の差が大きいものもあれば小さいものもあり、その内容は様々です。

なかには、伐採時に心材を指で押すと水が飛び出すぐらいにたっぷり含んでいるものもあるほどです。

ここでこの含水率、なぜ100%を超える数値が出るのかと思った方は勘の良い方です。

水分といえば、「ものの総量に対する水の量の割合」と捉えるのが通常で、たとえば「オレンジの50%は水分」といえば、100gのオレンジに50gの水が含まれていることになります。

ですが、木材の世界では「水を一切含んでいない組織の重量」を100と考えます。

「乾量基準含水率(全乾法)」と呼ばれる表し方で、もののなかの実際の水分量は「湿量基準含水率」といいます。  

木材の含水率は、JIS規格で規定された計算式で正確な値を算出できます。

木材にどれくらい水分が含まれているかは、木材の重量と含水率が分かればこの計算式を使って推定できます。

たとえば重さ100gの材を乾燥させたら、89gになったとします。

公式に当てはめると、この材の含水率は約12%となります。

これを先ほどのオレンジに当てはめると、100gのオレンジを乾燥させたときの重量が20gだとしたら、水分量が80g、なんと含水率は400%にもなるのです。  

 

こうした計算を用いなくても建築やインテリアの施工現場において含水率を測定する場合は、含水率計を使用するのが簡便でおすすめです。

含水率計には、木材の誘電率と含水率の関係を利用した高周波式と、木材の電気抵抗と含水率の関係を利用した抵抗式の2種類があるので、興味のある方は調べてみると面白いでしょう。

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関連リンク

https://www.kagura.co.jp/kagu/concept-5/

参考資料

https://www.shinrin-ringyou.com/mokuzai/omosa.php

鹿島出版会 小原二郎著書「木の文化」

 


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