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木材の乾燥について

2017年12月25日

木材を扱うにはまず乾燥が必要、ということは木を扱う業界にいらっしゃらない方でもご存知の方は多いのではないでしょうか。

この乾燥という作業は昔からの先達の苦労や技術の革新、そして科学や生物学を駆使しながら行われています。

乾燥自体も天日の下でじっくり行わなければならず、その期間は数年から数十年に掛かるものまで。

大事に挽いた木材をいかに有効に使うことができるかはまさに乾燥にかかっています。

今回はその木材の乾燥についてのお話です。

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何故、乾燥させるのか

木の家具の品質を決める要素として、「木自体が持つ材質」「加工・製作技術」と並んで重要なものが「乾燥の度合い」です。

山に生えている立ち木は、水分を豊富に含んでいます。

木の種類によって違いは有りますが、概ね木材自体の約1?2倍の水分を含んでいます。

木材に含まれる水分量を表す指標として「含水率」があり、立木の状態では含水率が100?200%ということになります。

そして一般に「乾燥材」とされる基準は、含水率20%とされています。

100?200%近い状態から20%まで落として行く工程が、乾燥作業に当ります。

原木から製材したばかりの木材製品は、まだまだ水分をたくさん含んでおり、「生材」と呼ばれる状態です。

この生材は乾燥が進むにつれ、変形や収縮が起こってしまい、材として使用するうえでは不具合が出てしまいます。

それなので、乾燥が必要なのです。

 

含水率

木材の含水率は、測定時点の木内部の水分量を木が完全に水分を失った状態の重量で割った数値です。

つまり、測定時点の全重量を測り、次にその木材の水分がゼロになるまで乾燥させ、その重量を測ります。

その差が水分量に当ります。

その水分量を完全乾燥状態の重量で割るという事です。

この方法を「全乾法」と呼び、最も正確な数値が算出できます。

しかし現実の問題としては、全乾法は研究施設の測定方法であり、一つ一つの製品に使用する事は不可能な為、製材所などでは別の方法で測定をしています。

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木材乾燥の方法

つづいて、木材乾燥の方法について見て行きたいと思います。

乾燥方法には大きく二種類に分類されます。

「天然乾燥」と「人工乾燥」です。

天然乾燥はその名の通り、自然状態で乾燥を行うこと。

天然乾燥を行った木材は「天乾材」や「AD材」と呼ばれています。

天然乾燥の方法で、まず基本となるのが「桟積み(さんづみ)」です。

木材と桟を交互に積み上げるこの作業は、桟の種類を木材の大きさによって変えます。

風の通り道を邪魔しないように整然と積み上げていく事が重要です。

この桟積みは人工乾燥でも同様に重要な工程です。

桟の位置がずれると、風が通りにくいだけでなく、荷重により木材が曲ってしまったりします。

桟積みをした状態で、屋外で乾燥をさせていきます。

乾燥場所に向いているのは、風がよく通り、太陽がよく当る場所です。

天然乾燥のメカニズムは、太陽熱で熱せられた木材から水分が蒸発して、それを風が運び去るようなイメージです。

続いて、人工乾燥はその名の通り、人工的に温度を上げて、水分を抜く方法です。

人工乾燥をした材を「人乾材」や「KD材」と呼びます。

人工乾燥には「高温式」「高周波式」「低温除湿式」など様々な方法があります。

天然乾燥だけを行うメリットは木にストレスを与えずに水分を抜いていけるということです。

しかしながら乾燥に要する時間は非常に長く、更には乾燥が甘くなります。

逆に人工乾燥だけを行うメリットは乾燥に要する時間が大幅に削減出来ることにあります。

天然乾燥では昔から「一寸一年」と呼ばれ3cmの厚みの材の乾燥に1年ほどかかると言い伝えられていますが、人工乾燥ではこれが10日ほどで済んでしまいます。

しかしながら急激に水分を抜くために必要以上の割れが発生したり、樹液や木の栄養分が蒸発して色艶が悪くなるなどデメリットもあります。

家具の材料となる材木として出回っているものはほぼ全て人乾材ですが、家具蔵では短いものでも1年間以上の天然乾燥で水分を抜き、木の動きの少ない丈夫な家具を作るために、さらに約1カ月間の人工乾燥を組み合わせて行っています。

このように下ごしらえのされた木材から、木の自然の色味を生かしながらも永く使い続けて頂ける丈夫な家具が生み出されています。

 

平衡含水率

木材の水分は、細胞壁内にある結合水と、細胞内腔にある自由水に分かれます。

伐採した木を乾燥させると、まず自由水が蒸発して消失した後、結合水の蒸発が起こります。

自由水が消失した時の木材の含水率は約30%であり、この状態を「繊維飽和点」といいます。 

木材の性質はこの「繊維飽和点」を境に大きく変化します。

自由水の量の変化は重量には反映されるものの、木材の性質に影響を及ぼすことはあまりありません。

結合水が減り始めると木材の性質は変化し始め、収縮を開始し、たわみにくくなるほか、電気抵抗が増えて電気を通しにくくなります。  

そしてさらに乾燥を続け、一定の温度、湿度の条件の中に長時間放置すると最終的に安定する含水率を平衡含水率といいます。

これは含水率が最終的に安定する状態を指します。

日本における平衡含水率は一般に屋外で15%、屋内は12?13%と言われていますが、 近年はエアコン設備の普及によりさらに低くなる傾向があり、エアコンがきいた部屋では10%を切ることもあります。

また、同じ屋内でも床より天井の方が低くなります。

また、日本は南北にも東西にもまたがる国土の関係で、地域によって年間の温度と湿度が異なるため、土地によっても差が生じます。

ちなみに欧米のように湿度が低い地域の平衡含水率は、屋外でも12%程度です。

海外の木製家具を日本に持ってきたときに反りや割れなどの動きが出てしまう原因は、この平衡含水率の違いによるものなのです。

 

いかがでしたか?

ひとことで乾燥といってもなかなか奥深いものがあり、その過程やストーリーを知ると、またお手持ちの家具に愛着が湧いてくる…、そんな方もいるのではないでしょうか。

そんな「乾燥」という過程を経て皆さんの前にお目見えする無垢材家具たち。

是非、見て触って、その物語に思いを巡らせてみて下さい。

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参考文献

鹿島出版会 小原二郎著書「木の文化」

関連リンク

http://www.kagura.co.jp/kagu/works/material.html

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