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靴からみる椅子との共通点と重要性

2017年12月17日

以前から度々、「人間工学」をテーマに当コラムでお話をご紹介していますが、今回は「靴」にも人間工学が活かされていて、それは椅子にも共通している、というお話です。

よく、我々も

「椅子も靴も身体を預けるという意味では同じであり、試着(試座)は絶対に必要です」

といった話をします。

良くない椅子や体に合っていない椅子は身体のあちこちが痛くなるなどの症状が出ますが、足(脚)への負担も相当なもの。

足は第2の心臓と言われるほど大事な箇所ですので、やはりここに負担の無い暮らしが健康に過ごすうえでは重要です。

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健康をつかさどる「足」

身体の血液の循環には足の筋肉が大きく影響しています。

心臓からは1番遠い場所にあり、しかも心臓より下にある足は重力に反して血液を循環させています。

この足の筋肉というのは「歩くこと」で養われます。

足で歩くことは身体の3分の2の筋肉を使用するので、これだけでも身体全体の筋肉を使い、その動きが静脈を圧迫して血液を心臓に送る機能を促進していきます。

ここに足が「第2の心臓」といわれる秘密があるのです。

心臓を包み、守りながら動くという点で靴がどれだけ重要になってくるか、なんとなくイメージしやすくなったのではないでしょうか。

人間の足は大小26個の骨から成り、歩行と体幹の重量を支える働きを司りながら、縦のアーチを形づくって歩行するのに便利な構造になっています。

人体の足は座る、立ち上がる、走る、蹴るなど様々な動作をしますが、まずは歩くことが前提です。

これらのどれもが人体の重量を支えながらの動作となるわけで、このことはやはり椅子でも共通するものがあります。

食事をしたり、読書をしたり、作業を行う。

その作業時の自重を快適にサポートしてくれるものが「良いもの」である、ということは靴も椅子も同じです。

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場面に適したモノ選び

普段、お仕事や学校などで家の中にいる時間より外で動いている時間が多い、という人は大勢いるでしょう。

その時に、ケガなどから足を守っているのが靴です。

しかし、場合によってはその靴が健康の妨げになっている場合もあります。

靴はファッションの一部ですから、お洒落を重視して少々履きづらい靴を履く方も、特に女性は多いのではないでしょうか。

「おしゃれは我慢」という言葉もありますね。

ただ、ご存知の方も多いように合わない靴で足を圧迫してしまうと、血液の流れを阻害してしまいます。

足は特に複雑な構造をしているため神経も多く、非常に繊細にできているのですが、その繊細な箇所を支えるものですから、靴は特に適切なものを選択しなければなりません。

誤ったチョイスは、足の指を痛め、外反母趾や足の裏のたこ、膝や腰の痛みや頭痛さえも発症してしまいます。

靴選びは非常に重要なのです。

これは我々人間が二足歩行であることにも関係しています。

猿は歩くとき足の外側を使います。

一方、人間は「かかと→小指のつけ根→親指のつけ根→つまさき」という順序で着地・離地を行います。

つまり足の外側から内側へ荷重が移動するわけです。

例えば、ハイヒールではかかとと親指のつけ根、小指のつけ根が同時に着地し、ひざも曲げないで足を地につけていくため、負担がかかり疲れやすくなります。

ビジネスシーンでは男性は革靴を履くのが決まりのようになっていますが、靴全体があまり屈曲しないため、圧力が一点に集中してしまい、長時間歩くのには向いていません。

スニーカーやカジュアルシューズの方が歩きやすく、疲れにくいのはそういうことです。

スポーツにおいても、種目ごとに違った靴があり、場合によってコンディションによっても履き替えることもあります。

それは全て良いパフォーマンスをし、身体を健康に保つために必要なことです。

 

椅子も同様。

自分の身体に合う椅子・合わない椅子の選定は勿論大事ですが、もうひとつ重要なことは

「どのような場面で使うのか」

ということです。

着座と離座の回数が多い人が長い肘掛のあるアームチェアを使うことは、出入りの際に椅子を大きく引くことの手間を考えると最初はよくてもいずれ負担になってきます。

反対にゆっくり座って寛ぐ際に肘掛の無いアームレスチェアに座ると、頬杖をついたり、背もたれに腕を掛けることも多くなり、良い姿勢がとれなくなったうえ、疲れやすくなります。

今履いている靴が果たして自分のライフスタイルと足に合っているのかどうかはとても重要なことです。

そして、今使っている椅子や購入しようとしている椅子が本当に自分に合っているか、自分の暮らしのペースやスタイルに合っているかを知ることも、一度確かめておくことが失敗のない家具選びとなるのです。

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このような視点から見ていくと靴も椅子と同じように『体具』であり、その共通点と重要性が見えてきます。

自分に適していないものは、疲労や苦痛に繋がる。

靴選びや椅子選びは大切であり、両者はとても似ているといえるのです。

 

関連リンク

http://www.kagura.co.jp/chair/

http://www.kagura.co.jp/kagu/good_design/

 

 

参考文献:

実教出版株式会社 小原二朗著書「暮らしの中の人間工学」

講談社 小原二朗著書「人間工学からの発想-クオリティ・ライフの探究」

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