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人間工学と椅子 -その1-

2017年11月20日

当コラムではここまでも「人間工学と家具」というタイトルで人間工学という分野が家具にどのように影響しているかをご紹介しました(参照リンクはこちら)。

http://www.kagura.co.jp/column/other/171023100012.html

http://www.kagura.co.jp/column/chair/171105130553.html

今回はもう少しそれを掘り下げて、前回でも少し触れた「椅子」にフォーカスをあてながらお話しを進めていきます。

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椅子が先か?テーブルが先か?

学校やオフィス、もしくは自宅において「姿勢を正しくする」ということに関心がもたれるようになって久しいですが、これには注意しなければいけないことがあります。

それは「姿勢を良くする」という意識以前に、その身体を支える役目を持つ椅子の条件を整えないと良い姿勢を長く保つことはできない、ということです。

ある程度の物的条件(=椅子の良さ)がないと、いくら理論ばかりをとなえたところで姿勢を正して座ることは難しいのです。

そもそもいわゆる「姿勢を正すのに適した椅子」を使えば、自然と姿勢はよくなるもの。

そうでない椅子は、そこで「良い姿勢」をとろうとすると余計に疲労してしまうことにつながります。

このことは、椅子だけではなく、椅子に関わる家具を用意する際に最も注意しなければいけないことです。

あまり知られていないことですが、ダイニングセットや学習机を選ぶ際には、まず身体に一番身近な存在となる椅子から選び、次にテーブルや机を選ぶのが正解です。

しかし、実際にはこれとは逆であるケースが多く、まずテーブルや机などを選び、最後に残った予算の中から間に合わせの椅子を買っているということも多くあります。

なぜこのような矛盾が起こってしまうのでしょうか?

それは、特に日本では椅子は机やテーブルの付属品だという考え方が従来から強く残っているからです。

本来、家具を人間工学的に考えればまず人間があり、それに合う椅子を選び、次にその人間と椅子に適合したテーブルや机を選択するという順序が正解と言えます。

椅子を決めてからテーブルや机を決める、というのが本来あるべき姿といえるでしょう。

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座面が優先?背もたれが重要?

ではその「良い姿勢」はどこから生まれるものでしょうか?

椅子には座面があり、背もたれがあるものです。

椅子について述べるうえで「姿勢」は切り離せないもので、いわゆる「正しい姿勢」というのは直立した姿勢のことであり、身体に一番負荷のかからない体勢であるともいえます。

人は正しい姿勢の場合には身体も心も十分に機能しますが、そうでない場合には心身の機能は著しく低下することが研究の結果、判明しています。

しかし、人は場所や状況に応じて様々な体勢をとらなければいけないもの。

その時に、その姿勢を支える「補助具」が椅子であると考えると背もたれの役割や形状の意味合いがはっきりしてきます。

人の背骨というのはS字曲線を描いています。

それは立って歩くのに都合が良いからです。

四本足の動物の背骨は、弧状か直線形状で人間のように曲がってはいません。

人間が他の四足歩行動物と違う大きな特徴は、二本の足で立って歩くということです。

実は座ったときの姿勢は立ったときの姿勢よりも無理があります。

座るためには骨盤が回転しなければならず、同時に仙骨も回転するため背骨をS字に保つことができないのです。

このS字曲線がつくる快適な状態を保つために背もたれにも様々な形状があり、座面はその骨盤を支えるために心地の良いデザインが研究されてきました。

 

ずっと座っていたから腰が痛い、という経験は誰しもあるでしょう。

背骨や頭を支えているのは突き詰めていけば腰であり、腰椎です。

座っている体勢というのは腰椎に負担がかかっている状態であり、そこに「腰が痛い」という状況が生まれるのです。

それならば、その負担を少しでも軽減させることのできる椅子に座ることが何よりも大切なことです。

背骨、腰椎に合う椅子、その負担を軽減してくれる背もたれがあり、座面がある椅子が「良い椅子」であり、そこにはいろいろな正解が存在します。

 

家具蔵でもそうした考えから、強度・デザインの面も併せ見たうえで様々な形状の椅子をご案内しています。

人間工学的観点からは椅子を「体具」と考えること、そのための家具蔵なりの正解を追い求めた椅子が多くの皆様に喜ばれているのです。

クオリティの高い暮らしを送るためには何よりも椅子こそが重要。

この考え方は、快適な暮らしの有り方を決めるうえで極めて大事なことなのです。

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関連リンク

http://www.kagura.co.jp/kagu/concept/1.html

http://www.kagura.co.jp/case/

http://www.kagura.co.jp/chair/

 

 

参考文献:

実教出版株式会社 小原二朗著書「暮らしの中の人間工学」

講談社 小原二朗著書「人間工学からの発想-クオリティ・ライフの探究」

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